定年後の現実

再雇用で後悔しない!シニアが「自分軸」で活躍するためのステップ

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「シニアの再雇用シリーズ」として前回は再雇用における「ギャップの原因」についてお話ししました。今回は、そのギャップを乗り越え、再雇用で成功するために必要なことを掘り下げていきます。特に、ご自身でできること、そして「自分を知る」ことの重要性についてお伝えします。

1.あなたは「自分」をどれだけ理解していますか?

「え、今さら?」と思われるかもしれませんね。しかし、具体的な質問を投げかけると、意外にも自分のことを語りきれない方が少なくありません。

  • あなたの最も得意なスキルは何ですか?
  • 具体的に何ができますか?
  • 社内外の人脈はどのくらいありますか? 困った時に助けてくれる人は誰ですか?
  • 心から好きだと思えること、リラックスできることは何ですか?

こうした質問にスラスラと答えられる方は、ごく少数です。

2.なぜ「自分を知る」必要があるのか

定年を目前に控えた皆さんは、これまで会社のためにがむしゃらに働いてこられたことと思います。言われたことをこなし、自分のことを考える余裕も、許される雰囲気もなかったかもしれません。しかし、再雇用後の働き方は、本当に今まで通りで良いのでしょうか?

これからの人生を自分らしく、そして楽しく生きるためには、今後の自分はどうしたいのか、これまでの抑圧や制限を取り払って見つめ直すことが大切です。そうすることで、新たな気づきを得られるはずです。「自分に対する理解を深める」ことは、この先の人生を豊かにするためにも決して無駄にはなりません。

同時に、自分の得意なことやスキルを棚卸しすることで、より具体的に将来の姿を描くことができるでしょう。

3.自分を知った上で「やりたいこと」を考える

自分自身の理解が深まったら、次にじっくりと考えていただきたいのは「これから何をやりたいのか」ということです。

子どもの頃に憧れていたことや、就職の選択で諦めてしまったことなど、思考の制限を取り払って自由に、そして楽しく考えてみてください。一人で考えるよりも、信頼できる人に話をしてみることで、発想が広がることもあります。ぜひ試してみてください。

ここでのポイントは、「なりたいこと」ではなく、「やりたいこと」「やってみたいこと」を考えることです。大きなことでなくても構いません。楽しみながら「やってみたいこと」をリストアップしてみましょう。

4.「やりたいこと」を実現するために不足していることは?

自分への理解も深まり、「やりたいこと」も見えてきたら、あとは実行あるのみです。しかし、現時点のスキルや人脈でそれが実現できるのか、あるいは補うべきスキルがあるのかを考えてみましょう。

もし補うべきスキルがある場合は、そのスキルを習得するための方法、期間、費用なども具体的に調べてみてください。そうすることで、より着実に前に進むことができるはずです。

5.会社はどんな「人材」を求めているのか?

自分を知り、取り組む準備ができたとしても、相手となる会社が何を考えているのかが分からなければ、効果的なアピールはできませんし、自分の強みが会社のニーズに合致しているのかも見えてきません。

再雇用社員に対して会社が求めるパターンをいくつか例示しますので、現在お勤めの会社ではどのように考えているのか、一度確認してみてください。

5-1.培ってきた専門的な技術を継続して提供してほしい

これまでの業務で蓄積した専門技術を継続して発揮してほしいというパターンです。経営、法務、財務、営業、研究、開発、生産、製造、品質、調達、物流など、幅広い分野でそれぞれの専門的な、唯一の技能があるはずです。「自分にはない」と感じている方もいるかもしれませんが、これまでの経験を一つずつ紐解いてみてください。人に誇れる専門的な知識や経験、それらを使った実績が必ずあるはずです。自己理解を深めながら、アピールポイントを探しましょう。

5-2.同じ職場で後進育成や、新たなリーダーのサポートをしてほしい

同じ職場での経験を活かせる要望ですが、気を付けるポイントがあります。それは「相手を立てて支援に回る」ということです。これまでは上司や先輩として指導してきた方も、どのような態度が相手に受け入れられるのかをよく考えた行動を心がけましょう。新しいリーダーがかつての部下だったとしても、上司として尊敬し、働けることに感謝の気持ちを持って支援しましょう。大勢の前でダメ出しをするなどの行為は決してしないでください。また後進に対しても同様に、支援に徹し、前に出過ぎず、叱るのではなく丁寧に何度でも説明してあげる気持ちが必要です。相手に気持ちよく受け入れてもらえる謙虚な姿勢が大切です。卑屈になるのではなく、余裕を持った支援者であり続けてください。

5-3.子会社や関連会社に移籍して業務強化を手伝ってほしい

今の職場を離れ、場所も異なる新天地に赴く可能性もあります。本社から離れることで左遷のように感じ、感情が穏やかではないかもしれませんが、なるべく早めに気持ちを切り替えていただきたいと思います。気持ちが切り替わったら、何を求められているのかを具体的に確認していきましょう。その上で、自己理解で得られた自分にできること、得意分野についてアピールしていきましょう。場合によっては、新天地での仕事が今まで以上に楽しくなることもあります。しかし、どうしても合わないと感じた時は、ご自身の資金状況にもよりますが、やりたいことを始めるチャンスになるかもしれません。しっかり向き合いながら、今後のプランニングをしていくことをお勧めします。

6.自分を知り、相手を理解して、適切に対応することが大切

兵法にも「彼を知り己を知れば百戦危うからず」という有名な格言がありますが、まさにこの通りのことです。自分が何ができるのかが分からなければアピールできませんし、会社がどう対応してほしいと考えているのかが分からなければ、意に沿った提案や対応はできません。

「今まで長年勤めてきたのだから分かっているだろう」「実績があるから大丈夫」という思い込みはありませんか? 実績がそのまま現在の実力で、会社がそれを求めている場合は問題ありません。しかし、状況は刻一刻と変化しています。

勇気を出して思い込みを排除し、ぜひ今一度、ご自身の状況を考えてみてください。これまでお話ししたギャップの事例は、実際の経験談に基づいています。少し考え方を変えれば適合できるパターンもあるのですが、なかなか考え方を変えられず、悩んでしまうケースが多く見られます。

ギャップを解消するためには、現実を知ること、自分自身の棚卸しを行うこと、そして環境の変化に対して柔軟に対応できるよう準備していく必要があると思います。

皆さんのキャリアと人生は、皆さんのものです。自分自身の理解を深め、今後の充実した生活を送るためのご支援を、私たちキャリアコンサルタントはサポートすることが可能です。

お気軽にご連絡いただければ、初回無償でご相談に乗らせていただきます。

次回は「具体的な失敗事例と成功事例」をお伝えしていきたいと考えています。

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定年後もいきいきと生活するためにはどのようなスキルや何からはじめたら良いのかはわからないものです。国家資格であるキャリアコンサルタント保持者がそのお手伝いをします。まずはお気軽にお問い合わせください。

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